大人のスマートさは時代により変わるもの。だが、今も昔も変わらない条件は、ずばり「清潔感」。自分のためでもあり、社会人のマナーとしても大切だ。ここでは、身だしなみの基本を抑えつつ、今の目線でリビルドした「メンズ身だしなみハック」をお届けしていく。固定観念に囚われず、自分がよいと思ったことを積極的に実践していこう。
多くの男性が日々行っているヒゲ剃り。しかし、間違った剃り方で肌に負担をかけてしまい、肌荒れを起こしている人は意外と多い。電動シェーバーはカミソリよりも肌への負担が抑えられるが、それでも毎日のこととなると肌への刺激をゼロにはできない。肌にやさしい「正しいヒゲ剃り」を習慣にして、コンプレックスを解消しよう。
<スキンケア編> 監修者/高橋弘樹氏
男性のスキントーン(肌⾊)スペシャリストとして活躍するヘア&メイクアップアーティスト。「好感度を上げるためのツール」としての男性美容の普及に向けて各種セミナー・ヘアメイク学校の講師なども務め、メンズ美容の有識者として講演活動の他、執筆やメディア出演も多数。化粧品、医薬部外品、美容機器等の企画・開発・販売・卸および輸出入美容、健康等に関するコンサルティングを手掛ける株式会社MBP.NEXT代表取締役。
男性はヒゲを剃ることで必要な角質をはがしやすく、肌の「バリア機能」を損ないがちだ。バリア機能を損なった肌は、紫外線などの外部刺激を受けやすくなるだけでなく、肌内部の水分の蒸発を防ぐ力も弱くなるため、肌が乾燥してカサカサになったり赤みが出たり、カミソリ負けから肌トラブルにつながったりもする。肌のバリア機能を損なわないような剃り方とアフターケアがとても大事なのだ。
外部刺激から肌を守る機能のことで、低下すると肌トラブルを招く。バリア機能は表皮にある角質層表面の「皮脂膜」と0.02mmほどの「角質層」がカギになる。皮脂膜は皮膚をヴェールのように覆い、水分の蒸発や乾燥を防ぐ役割を果たしている。角質層はセラミドやコレステロールなどの「細胞間脂質」により角質細胞同士がしっかりつながり、アミノ酸を主成分とした「天然保湿因子(NMF)」がしっかり水分を保持することで、肌を乾燥や外部刺激から守っている。
肌への負担を少しでも減らすには、毛の流れに沿う「順剃り」が基本。仕上げに、毛の流れに逆らう「逆剃り」を1回行えば、剃り残しの心配はなし! ヒゲ剃り前後の肌のケアも重要だ。
剃る部位に温タオルを当て、肌を温める。温タオルは、濡らしてよく絞ったタオルをラップに包み、1分間電子レンジにかければOK。熱いタオルでやけどをしないよう、しっかり温度を確かめてから肌に当てよう。電子レンジから取り出す際もやけどに注意。
剃る部位にシェービング剤を塗り、毛の流れに沿ってヒゲを剃る(順剃り①)。
順剃りした後、剃り残した部位を各部1回だけ毛の流れに逆らって剃る(逆剃り②)。
シェービング剤を水で洗い流す
アフターシェービングローション(化粧水)などで毛穴を引き締め、保湿する。
ヒゲが濃いとヒゲ剃りの頻度が増え、それだけ肌への負担も高まる。また、肌のターンオーバー(新陳代謝)が乱れると、本来はがれていくはずの古い角質が残ってしまい、肌にくすみを生じさせ、ヒゲの濃さが余計に目立ってしまう。洗顔・保湿などのスキンケアをしっかり行い、ターンオーバーを正常化することが大切だ。ヒゲ剃り時は、温かいタオルなどで肌を温め、肌を柔らかくしてから行うと余分な角質を取り除きやすい。ヒゲ剃り後もローションなどを用いて保湿を徹底しよう。
男性の間でも広まっているスキンケアやメイク。それは誰のためでもなく、コンプレックスを解消して「なりたい自分」になるためのポジティブな習慣。気づかなかった自分のポテンシャルを引き出し、高めるきっかけにもなる。第1回〜第6回のスキンケア編では、男性のスキンケアやメイクの指導などを行うヘア&メイクアップアーティストの高橋弘樹氏を迎え、男性の肌質に合ったスキンケアやヒゲ剃りの方法、さらには眉カットの方法を紹介。第7回〜第8回の姿勢編では、フィジカルトレーナーの関守氏を迎え、姿勢をよくするためのトレーニング法を紹介する。清潔感、好感度を身につけて、自分らしくいきいきした毎日を手に入れよう!
メラニン色素が多い青ヒゲタイプの人は、紫外線を浴びると色素沈着が起きて顔色がくすみがち。紫外線対策もしっかり行いましょう!