大人のスマートさは時代により変わるもの。だが、今も昔も変わらない条件は、ずばり「清潔感」。自分のためでもあり、社会人のマナーとしても大切だ。ここでは、身だしなみの基本を抑えつつ、今の目線でリビルドした「メンズ身だしなみハック」をお届けしていく。固定観念に囚われず、自分がよいと思ったことを積極的に実践していこう。
紫外線はメラニン色素を過剰につくって肌色を濃くし、シミになるだけでなく、シワやたるみの原因にもなり肌を老化させる。日焼けで若々しく見えるのは人生の一時期だけ。その間にも皮膚の老化は進行している。1年後に老け顔で悩むことがないよう、今日からしっかり紫外線ケアを習慣にしよう。
<スキンケア編> 監修者/高橋弘樹氏
男性のスキントーン(肌⾊)スペシャリストとして活躍するヘア&メイクアップアーティスト。「好感度を上げるためのツール」としての男性美容の普及に向けて各種セミナー・ヘアメイク学校の講師なども務め、メンズ美容の有識者として講演活動の他、執筆やメディア出演も多数。化粧品、医薬部外品、美容機器等の企画・開発・販売・卸および輸出入美容、健康等に関するコンサルティングを手掛ける株式会社MBP.NEXT代表取締役。
紫外線による肌の老化を「光老化」という。紫外線を浴びると皮膚の表皮にあるメラノサイト(色素細胞)が刺激され、メラニン色素が産生される。メラニン色素は紫外線から肌を守る役割をもっているが、産生され続け沈着するとシミの原因になる。
肌には外部刺激から肌を守る、肌本来がもつ「バリア機能」が備わっている。このバリア機能を担っているのが、肌の表面にある角質層なのだが、男性はヒゲ剃りで肌に必要な角質まではがしてしまう場合がある。こうした理由から、男性の肌も紫外線の影響を受けやすいため、紫外線対策は必須。日傘や日焼け止めはいまや女性だけのアイテムではない。しっかり活用していこう。
地上に届く紫外線には2種類あり、波長の長い「UV-A」は真皮の中層に到達してシワやたるみにつながりやすく、波長の短い「UV-B」は表皮に炎症を起こし、シミの原因となる。
日焼け止めのパッケージには「SPF」と「PA」という表示があり、それぞれの値が示されている。なぜ2種類の表示が並記されているのかというと、2種類の異なる紫外線(UV-A、UV-B)それぞれに対する予防効果が示されているのだ。
SPFもPAも値が高いほど日焼け防止効果は高いが、肌への負担も高いため、敏感肌や乾燥肌の人は注意が必要。肌への負担を抑えつつ日焼けを防止するなら、紫外線に晒されるレベルに応じて日焼け止めを使い分けるとよいだろう。日常使い(軽い散歩や買い物に出かける程度)ならSPF10〜20、PA+〜PA++ぐらい、短時間でも炎天下で過ごすレジャー時などはSPF 30以上、PA++以上を目安にしよう。
SPF | UV-Bに対する遮光効果を示す。数値が大きいほど防止効果が高い |
---|---|
PA | UV-Aに対する遮光効果を示す。+、++、+++、++++など+が多いほど防止効果が高い |
選び方でもう1つ大事なのが「成分」だ。日焼け止めには、紫外線を防ぐために「紫外線散乱剤」や「紫外線吸収剤」が含まれている。紫外線散乱剤は、肌表面で紫外線を反射・散乱させて日焼けを防ぐ働きをする成分で、メイクアイテムのパウダーはこの働きをしている。
紫外線吸収剤は、紫外線を熱や赤外線などに変化させ、皮膚細胞への影響を防ぐ働きをする。製品によって両方の成分を含むものもあれば、一方のみのものもある。
また、クリームやジェル、スプレータイプなどテクスチャーも様々ある。ベタつくのが嫌な人は、サラッとしたジェルを選ぶのも一案。購入時に試し塗りをしてみるのもよいだろう。ひじの内側に塗って曲げ伸ばしをし、塗り心地を確認しよう。
まず、塗る量だが、量が少ないとせっかく塗っても効果が得られない。そして、初心者にありがちなのが、塗りムラや塗り残しだ。顔は両頬、額、鼻の頭、あごの上に適量を置いたら指先で延ばす。片手でパーツごとに塗ると、塗りムラや塗り残しを防げる。また、日焼け止めは、2〜3時間ごとに塗り直すことも忘れないようにしよう。
紫外線量は夏が最も多いとはいえ、紫外線は一年中降り注いでいる。また、室内でも窓から紫外線は差し込んでくる。365日紫外線ケアは必須であることを覚えておこう。
男性の間でも広まっているスキンケアやメイク。それは誰のためでもなく、コンプレックスを解消して「なりたい自分」になるためのポジティブな習慣。気づかなかった自分のポテンシャルを引き出し、高めるきっかけにもなる。第1回〜第6回のスキンケア編では、男性のスキンケアやメイクの指導などを行うヘア&メイクアップアーティストの高橋弘樹氏を迎え、男性の肌質に合ったスキンケアやヒゲ剃りの方法、さらには眉カットの方法を紹介。第7回〜第8回の姿勢編では、フィジカルトレーナーの関守氏を迎え、姿勢をよくするためのトレーニング法を紹介する。清潔感、好感度を身につけて、自分らしくいきいきした毎日を手に入れよう!
日焼けは確実に肌の老化を速めます。紫外線ケアは夏だけではなく通年で手抜かりなく!