「M型」「U型」「O型」など。ひと口に“薄毛”といっても、さまざまな悩みがある。そこで、タイプ別に薄毛を隠すヘアスタイルを、東京・南青山のベテラン美容師に伝授してもらった。普段通っている理容店や美容室で、薄毛を生かすスタイリングにしてもらおう。
―「髪はとっておく」はNG!
久米直樹氏が運営する「unsarto」の常連の3割近くが男性だ。その中には、薄毛の悩みを抱えているお客さんもいるのだとか。「多くの方は頭頂部が薄くなる(O型)、前髪のラインが上がってくる(M・U型)で悩んでおられます」。しかし薄毛も個性と考え、ヘアスタイルをデザインすることで、薄毛のお客さんたちからも喜ばれているという。
そんな久米氏の薄毛ヘアカットの大前提が「残った髪も梳いて切る」ことだ。しかも、根元からごそっと梳く。「よく残った髪の毛を伸ばしている方がいますが、あれ、逆に髪の薄い箇所が目立ってしまうんです」。ゆえに薄毛部分と隣接する髪も、思い切って根元から梳き、量を減らす。その方が薄毛部分とうまく馴染んで、自然な雰囲気に仕上がるのだ。
「頭頂部が薄くなるO型の方は、周りの毛を伸ばして薄い部分を隠す方も多いです。でも、風が吹いてスタイリングが崩れると、途端に薄い部分が晒されてしまいます。それよりも周囲の髪も梳いて、頭髪全体でグラデーションを描くようなスタイルにまとめるほうが、自然な髪型になりますよ」
―とにかく残った髪は短く
生え際の両サイドが頭頂線まで後退するM型の薄毛にも、有効なスタイリングがあるのだろうか?
「この場合も同じで、薄くなった箇所の生え際側を梳いて量を減らします。そうすることで、薄い部分がわかりにくくなります。またトップのボリュームも出て、立体的なデザインになるでしょう」