育毛のためのシャンプー選び。どんな成分のものがいい?使い方も解説

育毛や発毛に関する商品は多岐にわたりますが、この記事では育毛のためのシャンプーに焦点を絞り、育毛剤との違いや、育毛シャンプーの効果的な使い方などを紹介します。

<監修>
中村 仁美
皮膚科専門医、漢方専門医
浅草ナカデンビルクリニック院長
日比谷トータルクリニック副院長

― 目次

― 育毛とは何か、発毛やヘアケアとは違う?

育毛と発毛は混同されがちですが、育毛は「いま生えている丈夫な髪の毛の維持を目的とし、今後起こるかもしれない薄毛や抜け毛を予防し、毛髪の健康を維持していく」ために使うものです。

それに対して発毛は、「新しい丈夫な髪の毛を生やし、全体もしくは一部毛量を増やす」ことを目的としたものです。

育毛剤と発毛剤の効能・効果の違いですが、育毛剤には頭皮の血行促進や頭皮や毛髪に栄養を与える働きがあり、頭皮環境を整えてフケやかゆみを抑え、抜けにくく健康的な毛髪を育てる効果が期待できます。頭皮トラブルの予防にも役立つため、薄毛や抜け毛にお悩みの方だけでなく、ヘアケアも可能なため幅広い層の方々が使用できるのが特徴です。

一方、発毛剤は発毛成分ミノキシジルなどが配合されており、新しい毛髪の発毛と成長を促す効果が期待できます。

― 育毛を行う時期はいつ?

日焼けや頭皮の湿疹、乾燥なども抜け毛の原因となるため頭皮ケアは赤ちゃんからでも必要なものと皮膚科専門医の立場からは考えます。

性別や年代に応じた頭皮トラブルや薄毛・抜け毛(男性型脱毛のAGAや女性の薄毛など)に対しては、対応可能な皮膚科・美容皮膚科の病院を受診することも選択肢の一つです。

しかし、受診する時間がとれない方や症状が気になりはじめたばかりの方は、まずは自分自身でできる育毛のためのシャンプー、育毛剤や発毛剤などセルフケアからはじめてみることもよいでしょう。

― 育毛にシャンプーは効果的?気にしておきたい配合成分とは

発毛剤や育毛剤と異なり、育毛のためのシャンプー剤には直接的な育毛・発毛効果はありません。

育毛のためのシャンプー剤の主な目的は、過剰な皮脂を取り除き頭皮環境を整えることで、頭皮トラブルを起こしにくくさせるようにしていくことです。
丈夫な毛髪が育つために頭皮環境を整えること、すなわち間接的な効果がシャンプーに期待できます。

通常のシャンプー剤は毛髪の汚れを落とすことが第一の目的であり、その成分の中にはラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウムなどの泡立ちがよく洗浄力の高い界面活性剤が含まれます。汚れを落とし毛髪および頭皮を清潔に保つことは大切である反面、洗浄力が高いと必要な油分まで洗い落とされてしまい場合により頭皮の乾燥を招く原因にもなることがあります。

一般的に育毛のためのシャンプーは頭皮環境に配慮されており一般的なシャンプー剤よりも洗浄力が抑えられ頭皮に刺激の少ない成分が使用されていることが多いようです。

代表的な低刺激の界面活性剤にはアミノ酸系界面活性剤が挙げられます。
ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルメチルアラニンナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウムなどの成分表示がある場合には低刺激性と考えてよいでしょう。

また合わなかったシャンプー剤があった場合には成分をメモや写真で記録に残しておくことも今後の自身の頭皮トラブル予防にとって役立ちます。

育毛のためのシャンプー剤を購入する場合は、成分表をチェックする際に成分表では配合量が多い順に記載されることを知っておく、低刺激の指標となるような弱酸性やアミノ酸系の記載があるかどうかをみる、ということに気をつけておかれるとよいでしょう。

― やりすぎには注意?育毛シャンプーを使うときに気をつけたいこと

正しいシャンプーでの頭皮ケアは、毛髪のからまりをほぐすところや毛髪に付着したホコリやウイルスなどを取り除くところから始まります。目が粗めの柔らかいブラシでシャンプー前に10~30回程度ブラッシングをしましょう。このシャンプー前のブラッシングには頭皮の汚れをより落としやすくなるという効果もあります。

つづいてシャンプー前に髪全体と頭皮全体をしっかりと濡らして一度全体を洗い流します。シャンプー前のすすぎで毛髪自体の汚れはかなり落とすことができると言われています。

シャンプーはコイン大のサイズ(もしくは、ボトルに書いてある通りのメーカー推奨)の量を手のひらにとり、生え際から頭頂部に向けて、頭皮を優しく揉み込むようになじませていきます。マッサージするように洗うことで、血行促進にもつながり毛根・毛髪にも栄養を与えることができます。

シャンプー剤の頭皮のすすぎ残しは頭皮トラブルの原因になるためすすぎの際にも丁寧にマッサージをしながら自身が思うよりもやや長めにすすぎを行いましょう。洗髪後はタオルドライでしっかりと水分をふき取ってから、ドライヤーで髪の毛から15-20cmほど離してしっかりと頭皮を乾かします。男性で短髪の方でも自然乾燥などで頭皮が湿っていると雑菌が繁殖してフケや湿疹の原因になり薄毛につながるリスクがあるため必ずドライヤーで乾かしましょう。

― まとめ

育毛と発毛は目的が異なるため、育毛剤や発毛剤を使用する場合には自身のご希望に合ったものや自身の頭皮に合ったものを使用するように注意しましょう。
育毛のためのシャンプー使用時も成分表示を意識して選んでみてください、育毛剤やシャンプーが合わないと感じたら速やかに使用を中止し皮膚科専門医を受診しましょう。