発毛に効果があるのは!?サプリやシャンプー、病院での治療などを徹底比較

発毛とは髪の毛が生えてくること、自然に抜け落ちた毛と同量以上の髪を生やすことで健やかな髪の状態を作ることを指します。

発毛のために色々な手段がありますが、今回はサプリメント、シャンプー、病院治療についてそれぞれ発毛に対してどのような効果が期待できるかについて説明します。

<監修>
大橋 一樹
スミレ医院(皮膚科)院長。
日本皮膚科学会専門医。
日本抗加齢医学会認定専門医 他。
地域住民のかかりつけの皮膚科として、地域に根差した診療を行う。わかりやすく丁寧な診療が評判を呼んでいる。

― 目次

― 発毛のために必要な要素とは?

髪の毛はヘアサイクルという一定の周期を繰り返し増えていきます。具体的には成長期、退行期、休止期を繰り返し、古い髪の毛が抜け落ち、新しい髪が生えてきます。2年から6年程度ある成長期に太く長い髪に育てることが発毛にとって大事な要素です。

成長期が短くなり、十分な量の髪が育たなくなると薄毛が進行します。成長期が短くなる要因として2017年最新のAGA(男性型脱毛症)治療ガイドラインでも指摘されているように遺伝があります。遺伝的因子は生まれつきもったものであるため、生まれつき抜け毛や薄毛が進行しやすい人がいるのは事実です。

一方で発毛は遺伝的要因ですべて決定するわけではなく、摂取する栄養や、頭皮のケアで改善が期待でき、また病院での治療も受けることができます。

― 発毛のためのサプリメントに含まれる成分と発毛へ期待できること

発毛効果の認められた栄養サプリメントは2021年現在では存在していません。しかし、髪を構成する栄養を摂取する方法として、多くの種類のサプリメントが販売されています。その多くに含まれている成分が、ケラチンと亜鉛です。ケラチンは複数のアミノ酸が結合したタンパク質で、髪の99%がケラチンから構成されています。また亜鉛はタンパク質の合成に必要です。

ケラチンの合成に必要なアミノ酸の中には体内で作り出せないものもあり、食事等から摂取する必要があります。亜鉛も食事で補給する必要があり成人男性で11g/日の摂取が厚生労働省より推奨されています。

これらを含むサプリメントの服用は発毛に有効である可能性があります。一方で摂取が難しい栄養素ではないため、1日3食バランス良く食べている方であれば敢えてサプリメントから摂取する必要は有りません。

― 毎日のケアが大切 覚えておきたいシャンプーのやり方・選び方

シャンプーは発毛の土壌となる頭皮環境を整えることができます。具体的には毛根に溜まった皮脂や汚れを取り除き、髪の成長を妨げないようにします。フケなどが溜まると頭皮が炎症を起こしかゆみ等が発生するため、シャンプーは毎日行ってください。

まず熱すぎないお湯で髪をすすぎ、あらかじめ髪の絡みをほぐしながら、大まかな汚れを流し落とします。その後シャンプーをつけ十分に泡立てた後に、指の腹で揉み込むようにして頭皮を丁寧にマッサージするように洗うのが効果的です。

シャンプー使用後、髪を濡れたままにすると汚れが付着しやすいため、すぐにドライヤーで乾かすようにしましょう。

一般的なシャンプーで十分に汚れを落とすことが可能ですが、育毛シャンプーとして発売されているものは、泡立ちや洗浄成分などが強いものもあるため、自分の頭皮環境に合わせて選ぶようにしてください。

― 発毛のための治療、どんな方法がある?

発毛のための治療も確立されています。基本的な治療法は塗り薬と飲み薬です。発毛効果が厚生労働省に認められているミノキシジル や抜け毛の原因物質であるジヒドロテストステロンを抑制するフィナステリド、デュタステリドが主に処方されます。

また植毛、増毛など直接髪を増やす方法や、発毛を促す細胞を注入するような治療も選択肢として挙げられます。

― まとめ

普段の食事からアミノ酸や亜鉛を十分に摂取できていないと感じる場合、まず食事の見直しやサプリメントの使用を考えてみても良いかもしれません。毎日の生活が不規則でシャンプーの頻度が少なかったり、忙しく手短に済ませてしまったりしている方は一度シャンプーのやり方について見直してみましょう。

実際に抜け毛や生え際の後退を感じてきている状態であれば、一度ドラッグストアの薬剤師や病院で、治療法の相談をしてみてください。発毛に対しては様々な手段がありますので自分の状況を顧みた上で必要な対策を取っていくと良いでしょう。