体質や遺伝的要因とも関係が深い抜け毛ですが、日頃の生活習慣で予防、改善できる部分もあります。専門家監修の元、生活習慣と育毛についてご紹介します。
<監修>
大橋 一樹
スミレ医院(皮膚科)院長。
日本皮膚科学会専門医。
日本抗加齢医学会認定専門医 他。
地域住民のかかりつけの皮膚科として、地域に根差した診療を行う。わかりやすく丁寧な診療が評判を呼んでいる。
― 目次
― 育毛に効果的?髪の毛を健やかに保つ生活習慣
抜け毛・薄毛の原因の1つとして、食生活や睡眠・ストレスなどの生活習慣が関与している場合があります。
壮年性脱毛症(男性型脱毛症:AGA)についても生活習慣の関与が示唆されており、生活習慣の改善は育毛の基本となります。その理由として、抜け毛は遺伝・年齢的要素もありますが、頭皮に皮脂を溜めて炎症を起こさないこと、頭皮の血流を増加させることにより発毛・育毛効果への期待ができるからです。
― 育毛のためにそれぞれ気をつけておきたいこと
あなたの生活習慣は大丈夫ですか?
次の項目にひとつでも当てはまるあなた。育毛のために、生活習慣の見直しが必要かもしれません。
point
- 就寝はいつも日付が変わってからだ
- 週1回も軽い運動をしていない
- ファーストフードやコンビニ食など偏った食事である
- シャンプーは汚れが気になった時だけしている
- シャンプー後は特になにもしていない
睡眠
睡眠によって分泌される成長ホルモンは育毛にとって最も重要な要素です。入眠して2時間以内の最初のノンレム睡眠時においては、成長ホルモンの分泌がよいため、質の良い睡眠と十分な睡眠時間を確保が重要です。
現在では専門家のあいだでも、入眠して2時間ほどに訪れる最初のノンレム睡眠時が成長ホルモンを分泌させるゴールデンタイムと解釈されています。夜ふかしをして疲労を溜めないよう、日付が変わらないうちに睡眠に入ることが重要です。
運動
心拍数の上昇がさほど高くない、軽度の有酸素運動(ウォーキング、軽いジョギング)は、ストレス発散や自律神経・ホルモンのバランス調整が可能です。また有酸素運動により、頭皮への毛細血管への血流増加も期待されています。
食事
高脂血症などの方では頭皮の血流低下があり、たんぱく質や海藻類を多めにとるよう食事の内容を変更することが推奨されています。育毛に必要な栄養としては、たんぱく質は髪の主成分であり重要です。同時にたんぱく質と合せて毛髪の合成を促す亜鉛のサプリメントを摂取するのも良いでしょう。
このほか、コラーゲン(フカヒレ・牛すじ・鶏皮など)、血行促進作用のあるビタミンE(ほうれん草・ブロッコリ・ナッツ類など)、頭皮の健康を保つビタミンA(牛レバー・サツマイモ・ニンジンなど)、血管や頭皮を丈夫にするビタミンC(オレンジ・グレープフルーツ・ピーマンなど)も重要です。
シャンプー
頭皮の汚れや皮脂を洗い流すためにシャンプーは毎日行うことが重要です。一般的なシャンプーでも問題ありませんが、頭皮の汚れが気になる場合はスカルプシャンプーを使用すると良いでしょう。シャンプーの過度な使用は逆効果になることもあるため1日1回程度にしてください。
マッサージ
シャンプーの後に、頭皮が清潔な状態で、指の腹を利用して頭皮の血流を増加させるためのマッサージを行うと効果的です。
― まとめ
頭皮のコンディションを安定させ育毛を促すには、適切な生活習慣の是正が大事です。特に、毎日の睡眠、食生活の見直しから始め、亜鉛やたんぱく質・コラーゲン・ビタミンの摂取、またシャンプーの使用とマッサージが有用です。
■参考資料
・厚生労働省健康局 保健指導マニュアル作成検討会報告書(2002年)
・日本栄養士会全国病院栄養士協議会「脂質異常症の食事療法」(2012年)
提供元:リアップ ブランドサイト