ミノキシジルに
副作用はある?

女性が気になる
ポイントを解説

「ミノキシジル」は一般用医薬品の発毛剤に配合される有効成分で、壮年性脱毛症における発毛や育毛効果、脱毛の進行予防効果があります。
頭皮の透け感が気になったり、分け目が目立ってきたり…といった女性の髪の悩みに対処する「ミノキシジル」について解説しながら、その使い方の注意点や、気になる副作用についてもご紹介していきます。

ミノキシジルは成分の名前

「ミノキシジル」という名称をご存知ですか?これは一般用医薬品の発毛剤に配合される有効成分の名称です。欧文では「Minoxidil」と表記されます。壮年性脱毛症による脱毛や薄毛に悩む女性にとっては気になる成分でもあり、覚えておきたい名称です。
1999年、壮年性脱毛症における「発毛」「育毛」「脱毛(抜け毛)の進行予防」の効果が認められた、男性用の一般用医薬品(市販薬=OTC)の発毛剤として発売。その後、ミノキシジル(1%)は女性を対象とした臨床試験も経て有効性を認められ、女性用の発毛剤も発売されました。
現在では、ミノキシジルを配合した発毛剤は「第1類医薬品」に分類され、医師や薬剤師による説明を受けたうえで購入することができるようになっています。

女性の薄毛や脱毛の悩みは「ヘアサイクル」の乱れから

現在、日本では一般用医薬品で女性の壮年性脱毛症に対して有効性が認められている成分は、ミノキシジル(1%)しかありません。しかし、そもそも女性の薄毛とはいったいどのような理由から起こるのか、毛髪の基本的な仕組みはどうなっているのか、ミノキシジルに飛びつく前に、まずはそこから知ることが必要です。

毛髪は常に一定の周期で生まれ、成長し、自然に抜け落ち、再び同じ毛穴から新しい毛髪が生える…という流れを繰り返しています。これを「ヘアサイクル」とよび、この周期は大きく3つの期間に分けられます。

成長期(2〜6年)

毛髪が太く長く成長する時期です。髪の毛を作る細胞(毛母細胞)の分裂が盛んになり、一定の速さで髪が伸びていきます。

退行期(2〜3週間)

髪の毛を作る毛母細胞の働きが低下し、髪の成長が止まり、伸びなくなります。

休止期(3〜4ヶ月)

毛母細胞の細胞分裂が止まりますが、毛髪はしばらく毛包にとどまり、やがて新しい髪の毛の成長とともに自然と抜け落ちていきます。

正常なヘアサイクル 髪と毛包の変化について

ヘアサイクルのなかで、「成長期」の毛髪は、髪全体の80〜90%、「休止期」の毛髪は全体の10〜20%を占めるといわれています。そして、1日に自然に抜ける髪の毛は通常50〜100本ぐらいが平均値と言われており、100本以内の脱毛は特に心配がありません。ただし、それ以上になると、これはヘアサイクルの乱れが疑われます。
女性であれば鏡を見て、もし、髪が細く痩せてきたと感じたり、分け目の透け感が気になりはじめたり、頭頂部のボリュームのなさが目立ってきたら、それは「ヘアサイクルの乱れ」が原因かもしれません。

ミノキシジルの作用

健康な髪とは、十分な成長期を経て「髪が太く長く」そして「毛包が深く大きい」状態をいいます。
つまりヘアサイクルの乱れとは、すなわち髪の「成長期の短縮化」ともいえます。成長期が短くなると、髪と毛包が十分に成長できないため、髪が健康に育たなくなり、細くなるわけです。
壮年性脱毛症とは、一般的に壮年期に多く現れる薄毛又は抜け毛のことを言いますが、成長期の毛髪の割合が減少し、細い毛髪が増えると同時に抜け毛も徐々に増えていきます。そして成長期の毛包が十分に成長せず、早く退行期、休止期に移行してしまい、毛包が小さくなっていき症状が進行します。

毛包とは何か

さて、ここで「毛包」のことを少しご説明します。
毛包とは毛根を包んでいる皮膚組織のこと。毛包の下端には「毛球」が存在し、毛球の内部には「毛乳頭」という細胞の塊があり、この塊を囲むように髪の毛の元になる細胞「毛母細胞」が存在します。この毛母細胞は、毛包の周囲の毛細血管から栄養や酸素を受け取り、細胞分裂を繰り返しながら毛髪を成長させる役割を持っています。壮年性脱毛症では、この「毛包」も小さくなることが特徴なのです。

毛包とは

このように、毛髪が細くなり毛包も小さくなってしまう壮年性脱毛症に対し、「ミノキシジル」が作用することがわかっています。

ミノキシジルの作用

ミノキシジルは「毛包」に直接作用し、細胞の増殖やたんぱく質の合成を促進して毛包を活性化します。つまり、ヘアサイクルにおける休止期から初期成長期への移行を促進し、発毛を促す働きをもっています。

また、ミノキシジルの血管拡張作用により「毛包」の周囲の血流を改善します。つまり、毛包に十分な栄養や酸素を供給することで、発毛を促進する働きがあります。

以上の「毛包」に作用する2つの働きから、「ミノキシジル」は薄毛に対して効果がある成分と考えられています。
薬局・ドラッグストアでご使用を検討される場合、薬剤師への相談が必要です。効果には個人差があり、6ヵ月間正しく使用していただいた上で判断する必要があります。ミノキシジルは継続して使用することで効果を発揮しますので、ご使用を中止すると元の状態に戻ってしまいます。効果が現れた後も、継続して使用いただくことが大切です。なお、ミノキシジルを6ヵ月継続して使用しているにも関わらず、改善が見られない場合は皮膚科を受診しましょう。

女性が心配するミノキシジルの副作用や気になること

さて「ミノキシジル」の使用に際しては、医薬品であるがゆえに気になることもあるかもしれません。ここでは「副作用」や「気になること」についていくつか紹介します。

女性が心配するミノキシジルの副作用や気になること

「ミノキシジルは肌に悪そうな気がする」という心配

正常な肌の状態が維持できており、刺激を感じたりしない場合は、継続使用して問題ありません。頭皮に傷や湿疹、炎症がある場合は直ちに使用を中止しましょう。

「薄毛が気になるけど、ミノキシジルを使えるのかわからない」という心配

薄毛の多くが、壮年性脱毛症ではあるものの、中には壮年性脱毛症以外の脱毛症であることがあります。
たとえば、高熱がでたり、身体に大きな負担がかかる手術をしたり、出産をしたり、身体に大きなストレスがかかるエピソードがあったのちに脱毛がみられた場合には、「休止期脱毛」という脱毛症である可能性がありますし、薄毛以外に、ふらつきや倦怠感などの自覚症状があれば、内科や婦人科の病気が影響している可能性があります。
円形や楕円形にくっきり特定の場所だけが抜けている場合も、円形脱毛症などほかのタイプの疾患である可能性があります。
いわゆる薄毛、壮年性脱毛症でよいのか心配な方、上記に該当する点がある方は、ミノキシジルを使う前に一度皮膚科で相談してみるとよいでしょう。

「年齢制限はある?妊娠中は?授乳中は?持病のある人は?」という心配

女性用のミノキシジル外用薬は、次の人は使用できません。

  • ・ミノキシジル外用薬に含まれる成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人。
  • ・未成年者(20歳未満)。
  • ・妊婦又は妊娠していると思われる人、並びに授乳中の人。
  • ・男性。

また、下記脱毛症に関しては、壮年性脱毛症以外の脱毛症である可能性が高いので、使用できません。

  • ・妊娠、出産に伴い脱毛している人。
  • ・避妊用ピルの使用をやめたことにより脱毛している人。
  • ・壮年性脱⽑症以外の脱⽑症(例えば、甲状腺疾患、急激なダイエット、円形脱毛症等)の人、あるいは原因のわからない脱毛症の人。
  • ・頭頂部だけでなく、側頭部や後頭部も含めた頭部全体が脱毛している人。
  • ・脱毛が急激であったり、髪が斑状に抜けている人。
  • ・頭皮から強く引っ張るような髪型によって脱毛している人。

次の人は使用前に医師又は薬剤師に相談してください。

  • ・今までに薬や化粧品などによりアレルギー症状(例えば、発疹・発赤、かゆみ、かぶれ等)を起こしたことがある人。
  • ・高血圧の人、低血圧の人。
  • ・心臓又は腎臓に障害のある人。
  • ・むくみのある人。
  • ・家族、兄弟姉妹に壮年性脱毛症の人がいない人。
  • ・高齢者(65歳以上)。
  • ・甲状腺機能障害(甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症)の診断を受けている人。

「女性ホルモンに影響する副作用があるのでは?」という心配

病院で診療して処方される医薬品の中には、男性ホルモン(テストステロン)に作用するような発毛薬もあるため、ミノキシジルもホルモンに何らかの作用があるのではないかと心配されている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、前述したように、ミノキシジルの発毛作用はホルモンに対する作用ではなく、毛包の活性化、血管拡張作用によるものです。
そのため、女性の壮年性脱毛症には、ミノキシジルを配合した発毛剤がおすすめされています。

「医薬品であるミノキシジルを使い続けても副作用はない?」という心配

ミノキシジルは、1日2回6ヵ月使用することで発毛効果を有することが臨床試験で認められています。医薬品を長期間使用することに不安を抱く人もいるかもしれませんが、毛髪の成長には時間がかかるため、6ヵ月以上使用し、発毛ケアを習慣にすることが大切です。
副作用が現れなければ、継続してご使用ください。

「ミノキシジルの副作用にはどんなものがあるの?」という心配

使用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに使用を中止し、製品に添付の説明書を持って医師又は薬剤師に相談してください。

皮膚

頭皮の発疹・発赤(頭皮以外に現れることもあります)、かゆみ、かぶれ、ふけ、使用部位の熱感等

精神神経系

頭痛、気が遠くなる、めまい

循環器

胸の痛み、心拍が速くなる

代謝系

原因のわからない急激な体重増加、手足のむくみ

「6ヵ月使用しても改善しなかったら?」という心配

また、6ヵ月使用しても脱毛状態の程度、生毛(うぶげ)・軟毛の発生、硬毛の発生、抜け毛の程度が改善しない場合は、使用を中止し、製品に添付の説明書を持って医師又は薬剤師に相談してください。発毛はしていなくても、太い毛だけでなく細く短い抜け毛が減少していたら改善の目安となります。
抜け毛や薄毛の程度が変わっていない、または薄毛が進行しているようなら、壮年性脱毛症以外の脱毛症が原因によるものである可能性があります。製品に添付の説明書を持って医師に相談してください。

この記事のまとめ

「ミノキシジル」は、壮年性脱毛症における「発毛」「育毛」「脱毛(抜け毛)の進行予防」の効果が認められた成分です。ミノキシジルは脱毛や薄毛に対し発毛を促します。

ミノキシジルは1日2回6ヵ月使用することで発毛効果を有することが臨床試験で認められています。毛髪の成長には時間がかかるため、6ヵ月以上使用し、発毛ケアを習慣にすることが大切です。

女性がミノキシジルを使用する際の注意点は、「女性用のミノキシジル外用薬」を使用すること、また、購入にあたっては薬剤師による確認が必要です。
使用に際しては添付文書をよく読み、記載されている副作用等が現れた場合には、すぐに使用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。

女性のためのリアップ

リアップリジェンヌ
第1類医薬品

【効能】壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防。